抄録
結晶質無機化合物の構造変化を、高温電子顕微鏡を用いてその場観察を行い、これまでに興味深い結果を得ることができた。その中で2つのペロブスカイト化合物をあげて、それらの構造変化と物性等を関連づけて報告する。1) La2MnGaO6の構造相転移とそれに伴う双晶構造の変化のその場観察La2MnGaO6 は423Kという比較的低い温度でPnmaからR-3cに構造相転移を起こすことがわかった。そこで、電子顕微鏡中で高温ステージを用いて構造相転移を起こし、それに伴って形成される双晶構造の変化をその場観察した。2) 水熱合成によって得られたBaTiO3微粒子の内部および表面層の温度による変化水熱合成されたBaTiO3粒子はナノスケールの粒子サイズを持ち、その粒子内には欠陥(孔)の存在が報告されている。この孔をまずトモグラフィーにより三次元形状を観察し、その内部構造を明らかにした。次に高温ホルダーを用いてTEM観察を行い、孔の加熱時の変化をその場観察し、密度との関連性を議論する。またBaTiO3粒子表面においては、容易に生成するBaCO3相が、熱変化する様子を報告する。