抄録
近年、地球規模でのエネルギー・環境問題が深刻化している。そこで化石燃料の代替エネルギーとして、クリーンで安全な太陽光エネルギーを利用しようという研究が活発になっている。アナターゼ型の結晶構造をもつTiO2薄膜は、ルチル型よりも高い光触媒活性を示すことが知られている。本研究ではスパッタ法により様々な条件でTiO2薄膜を作成し、系統的に光触媒活性を評価した。 ターゲットにはTiまたはTiO2を用い、ガス成分(ArあるいはAr+O2)、スパッタガス圧(0.1_から_5×10-2Torr)、基板温度(室温_から_800℃)をパラメーターとして製膜を行なった。作成したTiO2薄膜はXRD(X-ray diffraction)により結晶構造を、AFM(Atomic Force Microscopy)により表面構造を調べた。紫外線照射下(ブラックライト)での光触媒活性については湿式メチレンブルー分解試験法により行なった。 光触媒活性は低温(200℃以下)においてはアナターゼの割合(アナターゼ率)が大きくなるスパッタリング圧の高い条件で良くなることが知られているが、今回は200℃以上でも高い活性を示した。光触媒活性はスパッタリング圧が上昇すると向上するが一定の圧力で飽和した。