主催: 公益社団法人日本セラミックス協会
本研究の目的は複合磁性材料を構成するフェライト媒質中でSiO2粒子を孤立させた場合の電磁波吸収特性を評価することである。完全にSiO2粒子が孤立した場合の吸収特性はシミュレーションから1GHz以下の低周波側ではNi-Znフェライト単体と似て、さらに1GHz以上の周波数領域でも吸収を起こす。メカニカルミリング法を用いてSiO2粒子をNi-Znフェライト粒子で覆うことを考え,作製した複合体の電磁気的特性および電磁波吸収特性を評価した。メカニカルミリング法を用いることによってSiO2粒子表面にNi-Znフェライトの超微粒子で覆うことが可能であることがわかった。この試料を用いて作製した複合体の複素比透磁率はSiO2粒子をNi_-_Znフェライトで孤立するモデルから算出した値に高周波側で近づくことがわかった。しかし導電性のある2価のFeが生じることで,SiO2粒子がNi_-_Znフェライト媒質中に完全に孤立したモデルによるシミュレーションで得られる電磁波吸収特性は得られなかった。