2021 年 21 巻 5 号 p. 167-171
生活者は化粧品を選好する際,五感の中でも特に嗅覚・視覚・触覚でその商品が嗜好に合うかを判断している。そのため,生活者が求める嗅覚・視覚・触覚的要素を開発者が理解して製品開発することが重要である。しかし,生活者が求める触覚体験(触感)は主に言葉で表現されるため,生活者が表現する触感の物性を具体的に理解するのは難しい。そこで我々は,化粧の触覚体験を考慮した触センサを開発し,生活者が表現する触感を触センサで数値化を行っている。本稿では,指で皮膚を押した時に感じる柔軟感を指の替わりとなって定量化する皮膚柔軟感センサと,化粧用具を把持している際の指の接触力から感じる基剤の感触を推定するウエアラブル接触力センサの開発事例を紹介する。