抄録
パルスレーザー蒸着法による酸化亜鉛(ZnO)薄膜成膜時の酸化アシストの使用と得られた薄膜中の欠陥の状態について検討した。酸化アシストとして、酸素ガス照射、および酸素ラジカル照射を選択し、それぞれについて、アルミニウム(Al)やマグネシウム(Mg)を添加したZnO薄膜を合成した。得られた薄膜に、コバルト、および、酸素の熱拡散処理を施し、処理後の試料を2次イオン質量分析計によって分析することにより、拡散係数を算出した。Mgのみ、あるいは、MgとAl両方を添加した薄膜では、無添加のZnO薄膜に比べて、拡散係数の増加が認められた。さらに、MgとAlを同時に加えた試料では、拡散の活性化エネルギーが増加することがわかった