抄録
アルミナセラミックスはバランスの取れた機械的特性を示し,大気との反応性もなく汎用セラミックスとして広く利用されている.一方,セラミックスを構造材料として使用するには脆さが問題となる.これを改善する手法としてセラミックス粒内に金属やセラミックスのナノ粒子を導入した粒内ナノコンポジットが有効とされる.しかし,従来のアルファアルミナと分散粒子を単純混合し,焼結するという手法では粒内に導入されるナノ粒子に限界がある.そこで,本研究ではガンマアルミナの細孔にナノ粒子の水溶性前駆物質を減圧導入し,濾過洗浄後に熱処理した粉末を焼結するという新しいプロセスを試みた.