抄録
我々は,水酸化ハフニウムにギ酸を大量に加えることにより新規層状ハフニウム化合物(LHC)を合成し,LHCは水溶性であることも見いだした。本研究では,LHC水溶液を用いて配向したハフニア薄膜を作製した。LHCの5wt%水溶液にギ酸を加え,ガラス基板を浸漬し加熱した。その後基板を引き上げてLHC堆積膜を得た。この膜を900℃まで焼成し,ハフニア薄膜を作製した。LHC堆積膜のXRDパターンは,LHCが配向した膜であることを示している。ついで,600℃以上で焼成した薄膜のXRDパターンの解析からは,(-111)面が基板に平行に配向した単斜相ハフニア薄膜であることが分かった。また,ハフニア薄膜の水に対する接触角は約90°であり,撥水性であった。