抄録
半導体ナノ粒子は新規発光材料として様々な分野への応用が期待されているが、多くの半導体ナノ粒子は人体に有毒なカドミウムが含まれているために応用範囲が限られる。これまでに、水溶液法で合成した後に紫外光を照射する方法により、高輝度発光するセレン化亜鉛ナノ粒子を作製した。さらに、合成時と紫外光照射時に微量のカドミウムイオンを添加する事で青色領域の発光波長制御に成功した。本研究では、セレン化亜鉛ナノ粒子にテルルイオンを添加し、青色領域で発光するカドミウムフリーのナノ粒子の作製を行った。得られたナノ粒子は、発光効率が30%で、発光波長450nmと鮮やかな強い青色発光を示す。さらに、得られたナノ粒子をゾルゲル法によりガラス中に分散し、発光スペクトルと発光効率をほぼ維持したカドミウムフリーのナノ粒子分散ガラスを得た。