抄録
窒化アルミニウム(AlN)は、6.2 eVものワイドバンドギャップを有していることから、紫外、可視、近赤外領域において無色透明であり、透光性セラミックスとして期待されている。本研究では、焼結助剤として添加したCa系化合物の添加量がAlN焼結体の熱伝導率および光透過率に与える影響を欠陥の観点から調査することを目的とし、フォトルミネッセンス(PL)測定およびカソードルミネッセンス(CL)測定を行った。結果から、AlN焼結体の熱伝導率および光透過率に大きく影響を与えるのは、PL測定により観察された欠陥ではなく、CL測定により観察された酸素が関与した欠陥であると考えられる。