抄録
ナノチューブ構造を持つイモゴライトは、低濃度のSiとAlを含む溶液から、またイモゴライトよりチューブ径が大きく類似の構造を持つアルミノゲルマニウム酸塩ナノチューブ(AGNT)がGeCl4とAlCl3の低濃度溶液から合成されている。近年、大量合成を目的としたイモゴライトの合成法が報告されたがAGNTの大量合成は報告されていない。
本研究では、GeO2を用いた高濃度水溶液からAGNTの合成を試みた。GeO2とAlCl3を出発原料としpHを調整して前駆体を得た。前駆体を希塩酸に分散し100℃で熟成を行った。NH3による凝集後、乾燥し試料を得た。生成物はAGNTと同様のXRDとIRプロファイルを示した。一方、NH3処理を行わない試料のIRには不純物のピークが検出され、NH3処理が高純度化に重要であることが分かった。