抄録
既存のマイクロ波誘電体は高温焼結により作製され、バルク形状に制限されていた。本研究では、セラミックスの室温成膜法であるエアロゾルデポジション(AD)法を用いて、低温プロセスによるマイクロ波誘電体厚膜作製を行う。出発原料としては、既往の研究により優れた特性が認められているBa4.2Sm9.2Ti18O54を選択し、粒径の異なる3種類の粉末を用いた。これを、AD法を用いてCu基板上に作製し、誘電特性の評価を行った。粒径による特性の違いおよびアニーリング効果を通して、微細構造が誘電特性に及ぼす影響を解明する。