抄録
応力発光体SrAl2O4:Eu2+は外部からの機械的作用に応答して緑色の発光を示すインテリジェント・マテリアルであり、現在、応力センサとしての応用開発が進められている。しかしながら、その発光メカニズムに関してはいまだ不明な点が多く、特に弾性率やヤング率、ポアソン比などセンサの応力応答特性にとって重要となってくる機械的特性に関しては、実験的にも理論的にも全く報告されていない。本研究では、密度汎関数法による第一原理分子動力学計算を用いて母体であるSrAl2O4の機械的特性を理論的に導くことを試み、有限歪み法による計算から6×6マトリックスの弾性率、およびヤング率、ポアソン比を求めることに成功した。