抄録
Tb3+添加CsGd2F7とKGd3F10結晶において、真空紫外および近紫外励起でTb3+-Tb3+対間の交差緩和によるダウンコンバージョンを経た可視発光の量子カッティング現象を見いだした。量子カッティングに必要な交差緩和効率のTb3+濃度および励起波長依存を調べた。交差緩和効率はTb3+濃度が15%程度の範囲では濃度増加に伴い増大した。157~172nmおよび212nm励起のいずれも量子カッティングは起こり、157~172nmの真空紫外励起が近紫外励起より交差緩和効率が高く、励起波長依存は、異なる量子カッティング過程により起こると説明されうる。また、157nm発振のF2パルスレーザー励起による時間分解スペクトルを測定し、発光の立ち上がりと減衰を調べ、それらの挙動から真空紫外励起での量子カッティング過程を考察する。