抄録
本研究ではリチウム2次電池の高容量・高出力化を目的としてナノ結晶型電極材料の合成プロセス開発とその電気化学特性の解明に興味を持ち、これまで合成例の少ない30nm以下のインターカレーション電極のサイズ制御可能な合成法と電極特性の解明を試みた。今回の合成では水熱合成法、溶融塩合成法等の溶液プロセスを用いて2~30nm程度のLiCoO2電極材料のサイズ制御された合成を試みた。TEM観察により数層のコバルト酸化物層からなる2-4nm程度の極小サイズの電極の合成が可能であった。サイズ30nm以下ではバルクと比べて電気化学特性が大きくシフトし、これらのナノ結晶電極は1分以下での高速充放電が可能であることが判明した。高出力型電池電極としての応用が期待できる。