抄録
太陽光などの光エネルギーを利用し、薬品などを使用しても分解されにくい化学物質を安全かつ容易に分解することができる光触媒として、層間にイオンや分子のインターカレーションが可能である層状チタン酸(H2Ti4O9)が注目されている。そこで、この層状チタン酸の層を剥離させ、WO3微粒子を加え、また層状構造を再構築させることでWO3をインターカレートし、可視光吸収、励起電子の移動による電荷再結合の抑制、また夜間でも使用できるエネルギー貯蔵型光触媒を作製した。この作製した物質は、吸収波長が可視光側にシフトし、剥離した層とWO3微粒子の2つの物質の相互作用を利用できる可能性が確認された。