抄録
発光ダイオード(LED)を用いた近紫外光の励起により発光する蛍光材料は、照明やディスプレイ分野などへの応用が期待されている。最近、発光中心としてSnイオンを微量添加した酸化物ガラスに紫外光を照射することで可視光域でのブロードな発光を生じることが報告されている。そこで本研究では、典型的な分相ガラスの一つであるNa2O-B2O3-SiO2ソーダホウケイ酸塩系ガラスについて、発光中心としてSnイオンを微量添加し、得られたガラスの発光挙動の調査を行った。その結果、紫外光励起によって380nm~420nm付近を中心とした広範囲の発光が確認できた。また、ガラス組成や出発原料のイオン価数の違いによって励起スペクトルのピーク波長が異なることが確認できた。