抄録
レーザーを用いてガラスに屈折率変化や結晶を誘起させる微細加工技術は、現代の光通信網の発達に関与する光導波路や光スイッチなどの光デバイスの作製技術として期待できる。我々は、遷移金属含有ガラスへ波長1064nmのNd:YAGレーザーを照射することで、遷移金属原子の無輻射緩和による発熱を利用して結晶を誘起させるという遷移金属原子加熱法を見出した。本研究では、この遷移金属原子加熱法を用いて、CuO-Li2O-Nb2O5-SiO2 ガラスに強誘電性結晶LiNbO3 の結晶ラインを誘起させ、結晶の形態・配向・二次光非線形性を調査した。