抄録
ガラス基板上で高濃度に集合した金ナノロッド(16×250 nm)自己組織化膜から,金ナノロッドのLSPに帰属される大きな光消失ピークが830 nmと2200 nmに観測された.また,TEM観察において,金ナノロッドは溶液中で直列方向に任意の角度を保って連結していることが確認された.この連結はCTABとクエン酸の静電的親和力によって起こると結論付けられ,さらにこの連結により,ナノロッドは基板上で細密充填することなく3次元的に堆積されるため,大きなLSPが観測されたとわかった.作製した膜の表面に吸着したローダミン6G分子からは,大きなLSP効果に起因する強いSERSスペクトルが観測された.