抄録
膨潤性合成フッ素雲母をホスト結晶として得られるアルミナ架橋フッ素雲母は,層間域にミクロ孔が形成され,また陽イオン交換能を持つ.陽イオン交換により架橋体層間域に挿入したM2+イオン(M=Cu, Ni, Co)を多価アルコールを用いる還元法により0価に還元し,M0/架橋フッ素雲母複合体の作製を試みた.エチレングリコール中で還流すると,Cu2+交換型の架橋体からはCu0が析出した架橋雲母複合体が生成したが,Ni2+及びCo2+イオンの還元は確認できなかった.一方,トリエチレングリコール中で還流すると,いずれのM2+交換型の架橋体からもM0が析出した架橋雲母複合体が生成した.