抄録
窒化物半導体は、発光素子や電子デバイスへの応用のほか、広いバンドギャップを有することから、高温でも使用できるセンサー用材料としても注目されている。今回、窒化物半導体の水素センサーへの応用を検討する事を目的に、当社保有基板であるAlNテンプレート上にAlGaN/GaNへテロ構造膜をMOCVD成長し、Ptショットキー電極を有するショットキーダイオード(SBD)素子を作製した。作製したSBD素子の電流―電圧特性からショットキー接合の電流輸送機構を解析し、ほぼ理想特性に近い特性が得られていることを確認した。作製したSBD素子を用いて、水素検知実験を行ったところ濃度50ppmという極微量濃度の水素雰囲気下においても有為な電流出力が得られることを確認した。