抄録
1970年代に、化学センサが提案されて以来、地球環境の変化、公害、化学物質拡散など、社会的問題の拡大の中、この分野の研究が急速に展開されている。大気雰囲気における、化学物質の簡易モニター(ガスセンサ)に用いられている物質は、無機●有機化合物のみならず、生体関連物質も対象になっている。 現在まで、膨大な研究結果が報告され、セラミックを用いたセンサがいくつか実用化されている。以前は、警報的な機能でセンサの役割は十分価値あるとされてきたが、最近は、さらに、定量化、選択制、再現性、安定性、微量検出、小型化、省エネルギー化、などが要求されており、センサの高安定性、高度機能化が、以前にも増して必要となってきた。
センサの展開・実用化に必要な研究は、初期特性ではなく、実装環境ならびに耐用年数に対して如何にセンサ素子が有する特性を保証するかである。センサの特性にあった材料の精密合成の確立、時定数の長い複雑な物理的,化学的、熱機械的変化の原因解明とともに、これらをいかに抑制●制御するかである。