抄録
Ag+含有テルライトガラスをNa+含有カバーガラスで挟み熱ポーリングを施すと、試料のアノード側表面付近のみにAgナノ粒子が析出した。一方、Na+を含まないカバーガラスを用い同様の処理を施した際には変化は見られなかった。表面組成分析により、Agナノ粒子が析出したアノード側表面ではNa+の濃度が増加することがわかった。試料に高電圧を印加すると、Na+などの移動しやすいカチオンがカソード側に移動する結果、アノード電極近傍に負電荷を帯びた層が形成される。負電荷を補償するため、Na+がカバーガラスからアノード側試料表面に浸入しNa+リッチ相を形成する。その結果、アノード表面付近のTeO4ネットワークが断片化し、Agナノ粒子が析出したと考えられる。