抄録
熱ポーリングにより銀微粒子が析出したNa2O-ZnO-TeO2で第二高調波発生(SHG)が観測された。Ag2O-Na2O-ZnO-TeO2ガラスに300℃,3kVで熱ポーリングを施した。熱ポーリング後、アノード近傍にて銀微粒子の析出が観測された。特に300℃,3 kV, 60 min という条件で熱ポーリングを行った場合、最もSH強度が大きくなり、二次非線形光学特性のパラメータであるd33は0.29 pm/Vと過去のテルライトガラスのd33値 (= 0.25 pm/V) と同程度となった。また、これまでに報告されているテルライトガラスではガラス転移点 (Tg) 付近での熱ポーリングではSHGは得られておらず、今回、300℃ (Tg = 307℃) の熱ポーリングでSHGが得られた現象は非常に興味深い結果である。