抄録
近年、一般廃棄物がセメントの原料として使用され、今後、さらにその使用量は増大すると考えられている。この廃棄物由来原料を多量に使用したセメントは、C3Aを多く含むようになる可能性がある。C3Aは初期の水和反応が激しいため、セメントペーストの流動性を低下させる。しかし、C3A量の相違による流動性への定量的評価や、流動性と初期水和熱との関係などの詳細な研究はほとんどなされていない。これらの関係を明らかにすれば、流動性制御のための品質管理手法を提案できる。そこで本研究では、低水粉体比でもペーストが練れるように、撹拌子を従来のプロペラ型から櫛型に改良した伝導熱量計によって初期水和熱を測定し、流動性との関係を検討した。