2022 年 21 巻 2 号 p. 235-242
昨今、市民参画型の景観づくり、啓発活動が徐々に積みあがりつつある。特に、歴史ある景観を保全することのみならず、土地利用の履歴を共有する視点で、景観ガイドラインの重要性が高まっている。 本論ではこうした背景を踏まえて、景観要素の抽出から景観計画づくりに至る分析フレームを提示する。具体的には、機械学習と呼ばれる手法をもとに、画像検索を通じた景観まちづくり教育への応用展開に向けた試みである。特に本研究では、近年普及している機械学習ソフトを活用し検証した。 結果として、アプリ構築に制限はあるものの、当初想定された画像判定のフレームは構築された。つまり、景観まちづくり教育における有効性についてはある程度確認されたといえる。 今後、画像解析ソフト、アプリ開発ソフトが一般市民向けに普及していく中で、今回見出された課題は改善されると思われる。今回は、大学キャンパスの建物のみの適用であったが、今後、農村集落への適用を検討したい。