抄録
我々はこれまでにアパタイト単結晶ファイバーから三次元培養可能な細胞の足場材料(アパタイトファイバースキャフォルド)の創製に成功している。このスキャフォルドのハンドリング性を向上させるため、その高強度化を試みた。高強度化へのアプローチとして、_I_型コラーゲンをスキャフォルド内に導入し、さらにコラーゲンを熱脱水架橋させて、その強度を向上させた。実際、スキャフォルドの引張圧縮強度を測定した結果、高強度化スキャフォルドは従来のスキャフォルドよりも強度が約2倍にまで向上した。以上のことにより、I型コラーゲンは高強度化に有効であり、特に熱脱水架橋を施すと力学特性を向上できることがわかった。