抄録
マイクロ波プローブを用いて、GHz領域での積層セラミックキャパシタ断面の誘電率分布の測定を行った。測定には、積層セラミックコンデンサの内部誘電層および電極層について垂直に切り出し、また、誘電率を正確に決めるため、試料の厚さを厳密に調整し、裏表面については、新たに電極を形成して、その後、得られる誘電率の確度に注意を払った。
これまで、積層セラミックキャパシタの面内データ取得には、各ピクセルで3秒以上の保持を行い、データの平均化を行うだけであった。このため、装置系自身のノイズを抽出し、除去することは出来なかった。今回、装置系で生じるノイズの抽出とデータのノイズ除去のため、得られるデータに対して、2次元フーリエ変換を行った。
2次元フーリエ変換時には、測定データ、装置系ノイズ関数、フィルタ関数と定義し、各パラメータを系統的に変えた後、フーリエ逆変換を行い、ノイズ関数の取得と、その除去による画質の向上について検討を行った。