抄録
平均粒径800 nmと30 nmの炭化ケイ素粉体を75 : 25 の体積比で混合し、pH 5, 0.15 mol/Lの硝酸イッテルビウム水溶液で20 vol%のサスペンションを調整した。更に200 nmのアルミナと分散剤のポリアクリル酸を添加した。SiC(97.6 vol%)-Al2O3(1.7 vol%)-Yb2O3(0.7 vol%)系サスペンションを鋳込み成形により固化させた。成形体は800°C で仮焼し、力学特性を向上させるためにキシレンに溶解させた10 mass%のポリチタノカルボシラン(PTC)を含浸させた。空気中、170 °Cの加熱で架橋し、アルゴン中、1950 °C、39 MPaの加圧焼結を行った。加圧焼結体の相対密度は96.0-99.0 %であった。PTC無添加とPTCを3 vol% 加えたSiCの4点曲げ強度はそれぞれ611-892 MPaと506-679 MPaであり、ワイブル係数はそれぞれ9.2と12.7であった。PTC添加により強度は低下したが、ワイブル係数は増加した。PTC添加による同様なワイブル係数の増加は、Al2O3-Y2O3系助剤でも確認された。