抄録
ポリビニルアルコール(PVA)とホウ酸の組み合わせからの炭化ホウ素(B4C)の粉末合成について報告する。
PVAとホウ酸は水溶液中で縮合し、B-O-C結合を持つゲル状の物質を与える。この物質を乾燥・粉砕し、400-700℃で熱分解させることで、炭素源とホウ素源が均一に混合した前駆体が得られる。この前駆体をAr雰囲気中、1200-1400℃で熱処理することにより、B4Cが生成した。得られたB4Cには前駆体中に過剰に存在する炭素などが非晶質として残留していた。この非晶質の量を最小化するために、PVA-H3BO3縮合体の調製条件や熱処理条件の影響を調査・検討した。