抄録
高濃度サスペンションの製造において、ハンドリング性及び安定性を改良するために、種々の化学構造を有する高分子系分散剤が使用されている。これらは、粒子間に静電気的反発力を付与する高分子電解質系と、高分子吸着層に基づく立体反発力を付与する非イオン性高分子系に大別されるが、系中微粒子の分散性及びサスペンションのレオロジー挙動を最適化する上での高分子の分子構造や添加量は経験的に決定されているのが実状である。本研究では、高濃度分散系における高分子系分散剤の役割と効果をコロイド科学的及びレオロジー的観点から検討した。