抄録
可視光で応答する新しい光触媒の開発を目指し、NiTiO3においてNiサイトを種々のイオンで置換した試料(Ni1-xMx)TiO3 (M = Co, Cu, Zn)を固相反応法で作製し、光触媒活性を調べた。M = Coでは全域で、M = Cuではx < 0.4の範囲で、M = Znではx < 0.3の範囲でイルメナイト構造を持つ固溶体が得られた。置換量増加に伴い、試料色はM = Coの場合は黄色~緑色~暗い青色に、M = Cuの場合は黄色~橙色に変化し、M = Znの場合は黄色のまま変化しなかった。アナターゼ型TiO2と比較すると劣るものの、いずれの置換系も紫外線照射下で光触媒活性が見られた。