抄録
結晶質の2相複合材料の微視的モデルを、「濡れ」の視点から解析した。異なる表面エネルギーをもつ2粒子焼結の平衡形状に対する平衡状態図を提案するとともに、Surface Evolver プログラムにより、焼結の非平衡プロセスを解析した。焼結は界面の形成と広がりであり、表面3重線あるいは接触線の運動としてとらえることができる。平衡状態での2面角や接触角は表面エネルギーと界面エネルギーの釣り合いから決定されるが、非平衡プロセスでは平衡値からずれ、その差は3重線速度に比例することを示す。このことは従来知られていなかったが、焼結や粒成長における組織形成に影響する可能性がある。