抄録
本研究ではZnO:Alウイスカー冷陰極を電子放射源としたX線発生装置を試作し、X線放射特性の評価およびX線像の撮影を行った。真空度<5×10-4 Pa中にウイスカー冷陰極と引出電極、タングステン加速電極とを陰極-引出電極間距離350 μm、引出電極-陽極間距離9 mmで配置し、X線放射特性を評価した。撮影は加速電圧8 kV、引出電圧0.6 kV、放射電流0.1 mAの条件下で10分間行った。放射線量は、加速電圧が8 kVにおいて1 μSv/hを得た引出電圧が0.5 kVであった。また、引出電圧が0.56 kVにおいて10 mSv/hを越す放射線量が確認された。X線が透過しがたい葉脈部で白く写り濃淡の差が確認された。