抄録
フッ化水素がガラスを著しく腐食することはよく知られている。
我々は、フッ化水素に溶解しないリン酸塩ガラスの開発に成功している。本研究ではホウ酸塩ガラスをフッ化水素酸に浸漬させ、ガラスの重量減少率から溶解速度を求め、その反応機構を考察した。
50ZnO-50P2O5 ガラスは50CaO-50P2O5に比べて著しく高い耐フッ化水素酸性を持つ。一方、ホウ酸塩ガラスは、溶解速度が著しく速く、CaOをZnOと置き換えたものはさらにフッ化水素酸に対し溶解しやすくなった。従って、ホウ酸塩ガラスとリン酸塩ガラスでは、溶解機構が異なっていることがわかった。