2022 年 7 巻 p. 1-16
【目的】看護師の効果的なストレスマネジメント支援について以下の3つについて概観する。1)看護師のストレスに対する効果的な介入プログラムの手法、2)看護師のポジティブな心理的機能に着目した介入研究が行われているか、3)看護師のストレス介入研究で使用されている尺度について明らかにする。
【方法】出版期間は2011―2021年5月。看護師のストレスマネジメント介入研究動向についてデータベース検索を行った。日本語文献は医中誌Web版ver.5、英語文献はPubMedにて「看護師」「ストレスマネジメン」「ストレス対処」「ストレスコーピング」「介入」を掛け合わせて検索した。
【結果】検索された国内文献161件、英語文献292件の計453件のうち、対象とした文献は20件であった。ポジティブな心理的機能に着目した介入は、全20件の論文のうち6件(30%)であった。検討されていた心理的機能は、主観的幸福感や首尾一貫感覚であった。
【考察】看護師のストレスマネジメントプログラムは、ストレス反応の低減に向けたプログラムが多 く実施されてきた。人のポジティブな側面に着眼した研究は少ないため、今後はポジティブ心理学的 視点を取り入れ、人の持つ強みに働きかける介入方法への理論構築が必要である。