抄録
超撥水コーティングは水との接触角が150°を超え、高い水滴除去機能を有する。また表面粗さを概ね100nm以下にすることで可視光に対し、透明となる。このため、フロントガラスのワイパーレス化等の応用が期待されている。しかしながら、表面粗さや撥水処理の耐久性が不十分であり、実用化には至っていない。そこで本研究では、表面粗さを二重構造とすることで、高い摩耗性を持つ透明超撥水コーティングの作製を検討した。
クレータ状構造を持つシリカ粒子とベーマイトの粒子を組み合わせた表面粗さをガラスに付与し、超撥水コーティングを作製した。その結果、従来の単一粗さで作製した超撥水ガラスに比べ、耐摩耗性を向上させることができた。