抄録
標準的な吸収性in vitro評価法の構築が急務となっている。本研究では、破骨細胞が産生する酸性溶液を再現し、材料の溶解性比較や、骨組織内での材料吸収性を予想できるin vitro吸収性評価手法を構築することを目的とし、プロトコール開発、ラウンドロビンテスト、動物実験との比較を行った。規格化した相対溶解速度の測定値は、機関間で比較的良く一致した。またTCPについては相対溶解速度とin vivo相対吸収量の値がよく一致した。MgTCPについてはin vivo吸収量が高く、Mgの生物学的影響が現れていると推定された。改良の余地は残るが、本研究の吸収性評価法はある程度in vivoの吸収性を反映する有意義な試験法であると考えられた。