日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2008年年会講演予稿集
セッションID: 1K31
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非晶質リン酸カルシウム(ACP)の構造およびアパタイト転化に及ぼすCa/Pの影響
*堀本 麻友中村 真也久保 敬中平 敦
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抄録
in vivo での生体硬組織(Ap)の石灰化機構について,これまでに様々な検討がされてきたが,その初期生成物(Ap前駆体)は非晶質リン酸カルシウム(ACP)であると考えられている.一方,in vitro でも材料と生体骨の界面にアモルファス相が形成されることが報告されており,石灰化の核となるAp前駆体の特性解明や,転化過程に関する研究は,石灰化機構の解明だけでなく,Ap結晶の成長機構解明において重要である.また,Apの生体反応は,化学組成や微細構造に依存すると考えられており,Ap前駆体やその転化過程における微細構造変化や化学組成変化などの本質的な部分の解明が期待される.しかし,ACPは非晶質構造を有するため,通常のXRD回折やTEMによる解析が困難であり,Ap前駆体の構造や転化過程についての詳細については,未だ統一的見解は得られていない現状にある.本研究は,様々なCa/P比を有するACPを合成し,Ca/P比による微細構造,および結晶化挙動への影響をX線吸収スペクトル(XAFS)等を用いることにより解明することを目的とした.
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©  日本セラミックス協会 2008
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