抄録
バイオマス燃料であるエタノールと省エネルギー技術であるマイクロ波加熱を組み合わせた新しい水素製造法の開発を行っている。マイクロ波を用いると触媒層のみを内部から短時間で加熱できるため、始動性が良く、エネルギー効率の高い改質が期待できる。また、マイクロ波は水やアルコールとの反応性が極めて高く、より低温で触媒を活性化できる可能性がある。本報ではガス空間速度SVを上げたときの改質性能を調べ、従来の外部加熱方式に対するマイクロ波法の優位性について検証した。マイクロ波法では高SVにしてもエタノール転化率は100%を示し、従来法より活性化エネルギーが約30%低下していた。その結果、触媒表面で分解反応が促進し、低温・短時間で改質が行われたと推察される。