抄録
ZnOは3.2eVという幅広いバンドギャップを持つ材料であり,また低速電子線励起による発光特性が注目されている.現在,FPD(Flat Panel Display)用蛍光体の中で電子線励起による青色発光を示す蛍光体として, ZnS:Ag,ClやZnGa2O4が用いられているものの,使用元素の有害性,耐用時間(寿命)や原料単価の高コストなどの問題から,新規な青色蛍光体が求められている.ZnOは緑色の蛍光特性を示す材料であるものの, 異種元素であるMgの固溶によりバンドギャップを変化させることができ, 青色に発光させることも可能であることが明らかにされている.
本研究では,化学溶液法を用いMgをドープしたナノ粒子ZnO蛍光体を作製し,その発光特性を評価した.