抄録
CeO2におけるCe4+サイトは反転対称を持つため、ドープしたEu3+の発光は磁気双極子遷移(591 nm)が支配的となる。Eu3+は反転対称のないサイトにドープされた際により遷移強度の高い電子双極子遷移(~630 nm)を示し、色純度の高い赤色発光が得られることが知られている。本研究ではトリフルオロ酢酸を用いたゾル-ゲル法によりCeO2と同様の構造を持つCaF2との固溶体を作製し、Eu3+およびSm3+の発光特性への影響を調査することを目的とした。その結果、Caを10%含む試料においてCaを含まない試料に比べて発光強度の上昇が見られた。