抄録
酸化物光触媒として報告のあるGa2O3とIn2O3の固溶体(Ga2-2xIn2xO3)およびAlTaO4とAlNbO4の固溶体(AlTa1-xNbxO4)にCr3+をドープし,それらの発光特性を調べた。Ga2-(2x+y)In2xO3:Cryは,ルビーライン (694nm) とそれより長波長側にブロード発光 (750~1000nm) を示し,ブロード発光のみ,組成比に伴い連続的にシフトした。一方,Al1-yTa1-xNbxO4:Cryは,ルビーライン (720~740nm) とブロード発光 (800~1200nm) を示し,どちらも組成比に伴う連続的なシフトを示した。Cr3+に由来する近赤領域蛍光スペクトルが,固溶比に伴う連続的変化を示したことや,その挙動がホスト間で変化したことは興味深く,これらの機能材料のエネルギー構造の知見を得る上で有用であるといえる。