抄録
Bi4-xPrxTi3O12(x=0.5)にBi4Si3O12を2.5~5mol%添加した試料を合成し、添加量に伴う強誘電特性の変化について局所・電子構造の観点から主に検討した。BPTにBSOを添加することによりPrが増加、Ecが減少し、特にBSO添加量が5mol%のとき最も良い強誘電特性を示した。BPTおよびBPTS、熱処理試料について局所構造解析を行った結果、SiがTiに置換していると仮定したサイトの結合角の歪みのパラメータであるσ2が増加し、このことが残留分極の増加の一因と考えられる。さらに電子密度分布より、Pr置換および、BSO添加によってTiとその周りにある酸素との結合性が強くなっていることが分かった。このような結合性の違いも強誘電特性の向上の一因と考えられる。