抄録
ZnO多結晶体は、非直線電流-電圧(バリスタ)特性を示すことから、電子回路保護素子などとして広範に用いられている重要な電子セラミック材料の一つである。これまでの研究により、このバリスタ特性の起源とされる粒界二重ショットキー障壁の形成にはランタノイドなどのドーパントが重要な役割を果たしていることが明らかになっている。本研究ではCe添加ZnO双結晶粒界の高分解能走査透過型電子顕微鏡(STEM)観察,電子線エネルギー損失分光スペクトル(EELS)測定および第一原理計算をおこない、ZnO粒界におけるドーパント偏析を決める要因について考察した。