抄録
発表者らは(A1-xA’x)BO3 (A, A’= Ba, Sr, Ca)系ペロブスカイトのマイクロ波誘電性データの、多様な組成系での蓄積を図っている。さらに、これらの蓄積を基に比誘電率、Qf値、共振周波数の温度変化の組成依存性(誘電性のAサイトイオンの部分置換による変化)を系統的に説明することを目指している。その一環としての標記組成系(Ba1-xCax)(Sc1/2Nb1/2)O3が特徴的な奇妙な現象を示すことに気づいた。すなわち、1700℃での焼成により完全固溶体が生成することがX線回折による相の同定および格子定数の連続的な変化からほぼ確実視される。ただし、作製条件によっては目標組成のペロブスカイトと同時にBa-rich、Ba-poorの組成のペロブスカイトが生成し、格子定数がxが0.5以上では変化しない、という結果が得られている。