抄録
プロセスの簡略化や微小で単分散な粒子作製を目標とし,NaOH水溶液の強塩基性条件の下,室温から60度という低温でのBaTiO3の水溶液合成を行い,粒子径及び結晶形態の評価と反応機構の解明を試みた.Ti源にアナターゼ微粒子を用いた場合,室温でもNaOH濃度が2.9M以上の極めて強い塩基性条件でBaTiO3結晶が成長することが確認された.反応性が高い準安定相のTiO2微粒子表面では,強塩基性条件およびBa2+存在下でチタン酸イオンが溶解してBaTiO3結晶として再析出すると考えられる.また生成物の粒径はBa/Tiモル比およびBa2+濃度が高いほど小さくなった.