2016 年 19 巻 6 号 p. 716-719
背景:院外心肺停止に対する,情報指令員による心肺蘇生(CPR)の口頭指導は蘇生ガイドラインで推奨されるが,その神経学的予後の改善効果は明らかではない。今回,熊本市消防局の心肺停止活動記録を用いて,口頭指導の予後改善効果を検討した。方法:2013年1月から2014年12月における熊本市消防局活動記録を後方視的に検討した。口頭指導あり・なしの2群に分類し,傾向スコア解析を用いて神経学的予後を比較検討した。また2群間のバイスタンダーCPRおよびAED使用率について比較検討した。結果:傾向スコア解析による口頭指導あり群(n=701)となし群(n=290)の神経学的予後(CPC1-2)比較で,口頭指導あり群は有意に予後良好であった(オッズ比2.338(1.161-4.711),P=0.0176)。口頭指導あり群は,有意にバイスタンダーCPR・AED使用率が高かった。結論:口頭指導の神経学的予後改善効果が示唆された。