日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2009年年会講演予稿集
セッションID: 2P010
会議情報

炭化ケイ素複合焼結体の力学的強度に及ぼす炭素繊維の分散性の影響
*北 淳平末益 博志高井 健一久森 紀之長嶋 利夫Ian J Davies目 義雄幸田 清一郎板谷 清司
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
本研究では,酸処理を行い表面にカルボキシル基を形成させたVGCFをマトリックス中で均質に分散させることによって,SiC複合焼結体の破壊靭性がどの程度向上するか,微細構造と関係づけて検討を行った。酸処理VGCFは,VGCFを濃硫酸と濃硝酸の混液に懸濁し,加熱還流して得た。SiC粉体に対して8 mass% Al4C3と2 mass% B4Cの焼結助剤と0~8 mass% VGCFを混合し,成形したのち,1800℃で1 h, 62 MPaの圧力でホットプレスした。酸処理したVGCFを4 mass%添加したSiC複合焼結体の相対密度と破壊靭性はそれぞれ99.0%および5.7 MPam1/2となり,未処理のVGCFを添加した場合よりも高い値を示した。このVGCF添加SiC複合焼結体は未処理の場合よりも,プルアウトの長さが短くなることが分かった。以上の結果から,酸処理したVGCFを添加することによってSiC複合焼結体の相対密度と破壊靭性が向上することが分かった。
著者関連情報
©  日本セラミックス協会 2009
前の記事 次の記事
feedback
Top