抄録
ペロブスカイト型酸化物などの複合酸化物微粒子は、触媒、電極、ガスセンサなどへの応用が期待されている。これまで一般的に行われてきた化学的合成法には、共沈法、高分子化法、錯体法などがあるが、不均質になり易い、粒子成長を起こし易い、構成する元素種が限定される、といった問題点があるため、合成の際に方法を詳細に吟味する必要があった。本研究では、硝酸塩混合溶液に有機溶媒を少量添加・乾燥して得た前駆体粉末を低温熱分解することによる均質な複合酸化物微粒子、特にペロブスカイト型酸化物LaFeO3の簡易合成法について検討した。
化学量論比の硝酸塩とエチレングリコールを少量入れた純水に溶解させ前駆体を作製した。その結果、エチレングリコールを入れない前駆体を低温で焼成してもペロブスカイト型酸化物は得られないが、入れることにより350℃の低温で単相のものが得られた。しかし、エチレングリコール量を増すと生成する温度が上昇した。