日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2009年年会講演予稿集
セッションID: 2P085
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交流磁場で発熱するMg1-XCaXFe2O4系フェライトの作製法による影響
*米田 渓一青野 宏通猶原 隆前原 常弘渡部 祐司平澤 英之
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抄録
癌の新しい焼灼療法への応用を目的として交流磁場中において発熱能の優れた磁性材料が求められている。我々はこれまでにMgFe2O4にCa2+を置換したMg1-xCaxFe2O4系がきわめて優れた発熱能をもつ材料であることを発見し報告してきている。この材料がCa2+置換により発熱する理由として、800℃付近で焼成することによりMgFe2O4型立方晶からCaFe2O4型斜方晶へ相が変化し、これによる結晶の歪みが交流磁場中のヒステリシス損失をもたらすことを考えてきたが明確ではない。そこで、これまで行なってきた逆共沈法による作製以外に、有機溶媒を用いる新規方法によるMg1-xCaxFe2O4系の作製を行ない、発熱特性および結晶構造との比較を行なった。  結果として、X線回折によりMgFe2O4では立方晶からの相変化がみられなかったが、Ca置換させたMg0.5Ca0.5Fe2O4ではどちらの作製法もみられ、斜方晶へ相変化する温度がエチレングリコールで作製した試料の方が低く、最大のΔTとなる700℃付近に一致していた。これらの結果より、交流磁場中での温度上昇は、焼成による斜方晶から立方晶への相転位に関係している。
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©  日本セラミックス協会 2009
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